バリアフリーで安心・快適な住宅へ
- リフォームコラム

住み慣れた我が家で、この先もずっと安心して暮らしたい。誰もがそう願うのではないでしょうか。
しかし、年齢を重ねるにつれて、今まで何気なく使っていた住まいの設備や間取りが、思わぬ不便や危険の原因になることがあります。
家庭内で起こる事故の多くは、少しの工夫で防ぐことが可能です。
「まだ元気だから大丈夫」と思わずに、早めに老後を見据えたバリアフリーリフォームを検討することが、将来の安心な暮らしに繋がります。
この記事を参考に、ご自身やご家族の未来のために、快適で安全な住まいづくりを始めましょう。
目次
なぜバリアフリーリフォームが必要か?

バリアフリーリフォームは、単に高齢者や身体が不自由な方だけのものではありません。
加齢とともに、視力や筋力、バランス感覚は少しずつ変化していきます。
若い頃は気にならなかったわずかな段差でのつまずきや、扉の開け閉めのしづらさなど、日常生活に潜む「バリア」が事故の原因になり得ます。
また、妊娠中の方や小さなお子様がいるご家庭にとっても、バリアフリーな住まいは安全で暮らしやすい環境です。
元気なうちから備えておくことで、身体の変化に対応しやすくなるだけでなく、万が一の怪我や病気の際にも、自宅で安心して過ごすことができます。
将来の安心への投資として、バリアフリーリフォームは非常に有効な選択肢なのです。
家庭内に潜む危険な場所

高齢者の家庭内事故は、特定の場所で発生しやすい傾向があります。
特に注意が必要な場所をいくつかご紹介します。
1. 浴室
濡れた床での転倒や、浴槽をまたぐ際の事故が多発しています。また、冬場は暖かい居室との温度差によるヒートショックのリスクも高まります。
2. 階段
踏み外しによる転落事故は、大きな怪我に繋がりやすい危険な場所です。特に夜間、暗い中での昇り降りは注意が必要です。
3. 居室・寝室
床に置かれたものや電気コード、敷居などのわずかな段差につまずいて転倒するケースが多く見られます。
4. 玄関
上がり框(かまち)の大きな段差は、靴の着脱時にバランスを崩す原因となります。
これらの危険は、リフォームによって大きく軽減することができます。
日々の暮らしの中で「ヒヤリ」とした経験がある場所から、優先的に対策を検討しましょう。
バリアフリーリフォームのポイント
効果的なバリアフリーリフォームを行うための、2つの重要なポイントをご説明します。
段差の解消

バリアフリーリフォームの基本は、家の中の段差をなくすことです。
つまずきや転倒の直接的な原因となる段差は、高齢者にとって最も危険なバリアの一つです。
部屋の出入り口にある敷居の撤去や、スロープの設置、床のかさ上げなどを行い、床をフラットにすることが重要です。
これにより、室内での移動がスムーズになるだけでなく、車椅子を利用する場合にも対応しやすくなります。
手すりの設置
段差の解消と並行して行いたいのが、手すりの設置です。
手すりは、立ち座りや歩行時の身体を支え、安定させるための重要な設備です。
廊下や階段はもちろん、トイレでの立ち座りや、浴室での浴槽の出入りなど、動作の起点となる場所に設置することで、転倒リスクを大幅に減らすことができます。
手すりを設置する際は、使用する方の身長や利き手に合わせて、適切な高さや位置に取り付けることが効果を高めるポイントです。
場所別の効果的なバリアフリーリフォーム

ここでは、場所ごとに具体的なリフォーム方法をご紹介します。
玄関・廊下・階段

家の出入り口や移動の動線となる場所は、安全性を第一に考えましょう。
玄関
上がり框の段差を低くしたり、式台(広めの踏み台)を設置したりすることで、安全に靴の着脱ができます。また、縦型の手すりがあると、立ち座りの支えになります。
廊下・階段
廊下や階段には、連続した手すりを設置することが基本です。夜間の移動のために、足元を照らすフットライト(足元灯)の設置も非常に効果的です。また、開き戸を軽い力で開閉できる引き戸に変更すると、車椅子での通行もスムーズになります。
浴室・トイレ

水回りは滑りやすく、事故が最も多い場所の一つです。
浴室
滑りにくい床材への変更や、浴槽のまたぎ高さを低くすることが重要です。出入り口の段差を解消し、洗い場や浴槽の横に手すりを設置しましょう。さらに、浴室暖房乾燥機を導入すれば、ヒートショック対策とカビ防止に繋がります。
トイレ
便器の横にL字型の手すりを設置すると、立ち座りが楽になります。開き戸を引き戸に交換すると、出入りがしやすくなり、万が一中で倒れた場合でも救助しやすくなります。
老後を見据えたバリアフリーリフォームについてご紹介しました。
いかがでしたでしょうか。
部分的なリフォームであれば、比較的短い工期で対応可能なものも多くあります。
誰もが安全で快適に暮らせる住まいを手に入れるために、バリアフリーリフォームをぜひご検討ください。







